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  • 執筆者の写真OUR VOICE OUR TURN JAPAN

大人は子どもの未来を変えられる

2018年5月19日に開催された社会的養護出身者の語る「僕らの声」発表会

『プロジェクト紹介』 by石川昴・糸賀貴優プロジェクト紹介 by石川昴・糸賀貴優



■プロフィール


石川 昴(22)

 2歳から高校卒業まで児童養護施設で育つ。家庭復帰をしては施設に戻ることを繰り返し、5つの施設を転々とた。「自分の過去は変えられないが、これからの後輩たちの未来は変えられる」と自らの経験を活かしていきたいと願い現在は子どもの貧困対策の団体などに属し、精力的に活動している。


糸賀 貴優(22)

 自ら不安定な家庭環境の中で育ち、「家庭とは何か?」という問いを持ちながら、自らの経験を活動に活かす。NPO法人PIECESのコミュニティユースワーカーとして活動したり、社会的マイノリティの情報を発信するメディアでインターンをしている。





■「ユース」という用語について


 私たちは「ユース」という言葉を使っていきますが、ユースとは、児童養護施設や里親家庭を巣立った若者たちのことを言います。 虐待などの理由によって親と離れて暮らす子どもたちは児童養護施設や里親家庭で生活します。そこから巣立った若者たちのことをこのプロジェクトでは「ユース」と呼んでいます。



■なぜこのプロジェクトができたのか


「社会的養育(社会的養護)」については世間一般に普通に知られていることではありません。


 しかし、虐待などによって社会的養育のもとで育ち親を頼れない子どもたちが実際多くいます(4万5000人)。そして、施設を巣立ったユースたちのことについては、更に社会から隠されて追いやられている状況があります。


 そのように、世間一般から知られていないことから起こるユースたちの生きづらさが多くあります。


例)「保証人問題」、「なんで親を頼れないの?」、「誰に頼ればいいか分からない」、孤立・・・などなど。 なかなか理解しがたいこの現状を何とか変えなくてはいけないと当事者である私たちは思うようになりました。当事者自らが立ち上がり、この現状を自ら伝える。それが私たちの活動です。


 僕たちは集まってくださいと頼まれて集まった団体ではなく、それぞれが自分の経験を活かしたいという自発的な思いによって集まりました。まさに当事者主体の活動です。

それぞれの経験からそれぞれの思いを抱えていて、 何かを変えたいというユースたちが集まりました。



■「アドボカシー活動」について


 アドボカシーとは、Advocate「代弁する」という意味があります。

 あまり日本ではまだなじみのない言葉だとは思いますが、届きにくい人の声を代弁することをアドボカシー活動といいます。 権利擁護や政策提言という意味にもなります。


 何かを変えたいというユースたちと、 何らかの形で社会的養育に関わっていて同じ思いを感じている大人たちが集まり、このように共同していくこととなりました。

 

 当事者とサポーターが協力して 社会問題に取り組むこと = アドボカシー活動!


 また、カナダのアドボカシーオフィスの所長であるアーウィンエルマン氏はアドボカシーのことを


「なにをどうやっていくか、

       一緒に考える旅」


 と、私たちに話してくださいました。



■なぜ声を届けるのか


私たちは、様々な事情を抱えている中で、社会的養育で育ち、生活している若者がいるということを多くの方に知ってもらうために活動を始めました。 ユースたちのありのままの声を集め、生きづらさがあるならば、どのように解決することができるのかを考えていきます。また、その生きづらさが社会制度にかかわる課題であるのならば、多くの大人を巻き込んで、制度に反映できるようにしていきたいと思っています。



■どうやって声を届けるのか


 社会的養育で育ったユースたちの声を多くの人に届けるべく、主に2つの活動を行なっています。


 1つ目は、冊子の作成です。皆様のお手元にある「僕らの声」を作成し、ユースたちがどのような思い・経験をしながら生きているのか、現状の一部をまとめています。




 2つ目は、発表会の開催です。本日の発表会を通して、ユースの悩みや課題だけでなく、前向きに夢に向かっているユースや、自ら行動することで社会を良くしていこうと活動するユースがいるという姿をお見せすることができればと思っています。


 また、私たちは、カナダのトロントにあるアドボカシーオフィスが行なった「OUR VOICE OUR TURN」というムーブメントをモデルにしています。




 実際に、「21歳までのサポートが、2歳まで引き延ばされた」というように、要望が実際に実現した、というのがあります。このムーブメントは国境を超え、福祉業界におけるロールモデルとされていて、日本からカナダにその手法を学びに行ったひとも多くいます。


 しかし、アドボカシーオフィスの所長であるアーウィン氏は、学んだことを行動に移す人が少ないとおっしゃっていました。 私たちは、このムーブメントを知り、日本でも、ユースたちが主体となって行動に起こそう!と思いました。



 そして、2017年5月20日に発足し、「OUR VOICE OUR TURN JAPAN」~僕らの声を届けよう~プロジェクトと名付けました。



■目指す社会


 私たちは、カナダで起こったように日本でも、「子ども・ユースの声が当たり前に聴かれる社会をつくること」を目指して活動しています。子どもの権利条約にもある、「聴かれる権利」が尊重される社会への第一歩になれるよう、取り組んでいます。






■OVOTJが大切にしていること


次に、OVOTJが活動する上で、大切にしていることをお伝えいたします。


私たちは、施設や制度に対して批判をすることを目的とはしておりません。「誰が悪いのか・何がいけないのか」を言いたいのではなく、課題に対して「よりよいものは何か」をみなさまと共に考えていくことにフォーカスを当てています。


■ユースリーダー石川昴から


 「自分はこういう境遇だから」といって諦めたり、社会が変わるのを待ってばかりではいけないと思っています。僕らも変わる、社会も一緒に変わっていく。それを目指していくべきなのだと私は思っています。


 そして、大人の皆さんにできることは「子どもたちの未来を変えられる」ということです。どうぞ、皆様のお力を貸していただけましたら幸いです。



読む「僕らの声発表会」シリーズVol.1 プロジェクト紹介

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動画はこちらから!

#社会的養護 #児童養護 #児童養護施設 #里親家庭 #アドボカシー #社会的養育


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